15%開発ルール

 まだあるのかわからないが米国の3Mという会社では仕事の15%は自分の好きな開発をしてよいというルールがあると聞く。私は開発者(特に若手)にとっては良いルールだと思う。私の考える15%ルールについて書く。

ScozzyによるPixabayからの画像

 開発の初期段階では、前にも書いた通り、アイディアはなかなか出てこないし、簡単な試作も初めはできない。その開発の専任者となった場合、これは非常に苦しい事態である。アイディアを考え続けて2,3週間場合によっては2,3か月なんのアウトプットも出てこないこともある。

自分だけ取り残されている?

 開発初めて何週間もアウトプットが出てこない。ふと周りを見回すと同僚が忙しそうに働いている。そうなるとだんだん不安になってくるものである。「ああ、俺だけ何もしていない。俺のキャリアはどうなっちゃうのだろ。俺だけ成長していない」若手はよっぽど楽天的な奴または、自信がある奴(彼には15%ルールは要らない)でない限り、そう思うのが普通だ。この考え方が出てきたら次は「別のことやろう」とか、最悪「やっぱり俺は向いてないから転職しよう」なんてことを考えだすのだ。

 だから、若手の開発者にはベースのルーチンになるような仕事をまず与えておいて、仕事をしているという安心感を与えておいてから、開発をさせたほうが良いのである。その際、必ず週に何時間か開発をやらせる時間作らせ、その仕事が本当のメインの仕事と思わせることが必要だ。これが真の意味での15%ルールだと思うのである。開発がメインと思わせてないと、ルーチンワークに逃げるようになるのは目に見えている。「こっちの業務が忙しくてできません」と、

上司も開発者も大変、周りも大変。

 上司は部下が腐らないよう、逃げないよう、気を使わなくてはならないし、部下の開発者はルーチンが忙しくとも週のうち何時間か使って、日の目を見ないかもしれない(?)開発を続けなければならない。非常にセンシティブな状況である。さらに周りもその人の15%ルールに協力することが必要である。考えようによっては非常にセンシティブな状況ではないか。でも、辞められるよりは絶対いいと思う。

開発課題の与え方

 重要なことの一つに、上司は開発課題の与え方をがある。課題はシンプルかつモチベーティブ。現状の問題点とそれが解決した時の理想の姿をみせる。方法は、上司に考えてあっても言わない。まずは開発者に考えさせるべきである。この最初の方法を考えることが将来的に間違いなく役に立つ。自ら考えることでモチベーションも上がる。最初の話し合いでこのことはしっかりと伝えたい。

壮大なマネージメント

 アイディアが出たら検証、それから具体的な計画を立てる。
とはいっても、大抵は会社の方針で課題解決の納期が決まっている場合がほとんどである。実は上司はそのことを含めて自分なりのスケジューリングを立てて、開発者に仕事をやらせなければならない。いつ出るかわからないアイディアを期待して。いかにアイディアを出してもらうか、納期通りにできるのか、でもせっついてもダメ、非常に難しいことではあるが、それが開発者の上司の役割、マネージメントなのである。

結論:15%ルールは若手開発者にはいいルールだと思う。開発の不安が少なくなる。だけど、それなりの組織、上司があって初めて成功するルールなのだ。3Mはすごいな。

でも、開発はいつも成功するとは限りません。少しでも成功の確率を上げましょう。お気軽にご相談ください。

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